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2010年度事業報告

平成22年度(2010年度)社会福祉法人あさみなみ事業報告
全体総括
新たな創造と実践への挑戦
新たな創造への挑戦の1年と位置づけた2010年度でした。将来構想委員会より提言のあったいくつかの事項について、具体化に着手しました。第1次提言でなされた短期入所専用棟ならびに地域活動支援センターの新施設建設がJKAの補助を受けて実現できたことは特記すべきことでしょう。これは第3次提言に含まれた利用者の生活できる工賃確保を目指す取り組みにもつながるものです。就労支援部門を創設し、現授産事業の大幅な拡大や新たな仕事づくりへのチャレンジを行うための場所確保は、一方で「家から一歩でも出て参加する場がほしい。」「仕事に取り組む気力や体力はまだ出来ていないけれど、人とふれあえる豊かな時間がほしい」といったニーズに応えることが出来る場確保の問題でもあります。旧法精神障害者通所授産施設として運営してきたアンダンテの新事業への移行を契機として、そんな場としての地域活動支援センターアンダンテを新施設に開設することとしました。それが「仕事をしてもっと工賃が欲しい」とする利用者に仕事に専念することの出来る場を保障することにもつながりました。就労支援事業所かがやきを旧アンダンテスペースを活用して開設することが出来ました。
ただ、第1次提言で示された利用者と労働契約を結び、より安定的賃金を保障する就労継続支援A型事業の開始については、確実な賃金保障がみこめる事業が展望しきれないことから当面延期せざるを得ませんでした。企業との連携、仕事の開発など更なる努力と工夫が求められるところです。
大変利用の多かったショートステイ事業を「せせらぎ」として専用機能化し、従来の狭隘なスペースや浴室での介助浴の不便を解消することが出来ました。第4次提言を受けたケアホームなど生活の場づくりへの取り組みも本格的なショートステイ事業の経験を活かしながら具体的な検討が始められそうです。
 
障がい者制度改革の議論と新法成立に向けて
 障害者権利条約の批准に向けて必要となる国内諸制度の改革のための議論が内閣府内に設置された「障がい者制度改革推進会議」を中心に活発に展開されました。この議論を受けて本法人でもきょうされんをはじめとする新法づくりの運動に積極的に参加してきました。本会利用者のうち2名が該当となった65歳の誕生日を過ぎた日から介護保険を優先して適用し、障害者支援の施策が利用できなくなるという現行法の欠陥を粘り強く指摘し、個別の事情を勘案という制限つきではありましたが、ひきつづき障害者支援が継続できることを市行政に認めさせることが出来ました。現行法の問題点や利用者の不便・不利益を引き起こす事柄を実践場面から指摘し、そこから制度改革を具体的に提起していくことが、現場に課せられた重要な使命です。このような使命を確認しながら、「アクセス権」や「合理的配慮」といった新しい理念を具体的に新法の策定に反映させていけるような取り組みを継続できればと願っています。
安佐南区の福祉のまちづくりを推進
安佐南区の福祉のまちづくりを進めるため、多様な啓発活動に取り組みました。後援会とも共催しての「ヘレンケラーを知っていますか」の上映会は、始めて広島県から地域啓発の委託事業として取り組みました。実施日が東日本代震災の翌日に重なり、大変騒然とした雰囲気の中での上映となってしまいましたが、それでも200名近い観衆に大きな感動を呼ぶことが出来ました。当日東京から駆けつけてくださることとなっていた、女優の斉藤とも子さんが交通機関のマヒでおいでいただくことが出来なかったことは、大変心残りでした。
本会広報紙「せせらぎ」の隔月発行は、すっかり定着し、少しづつですが「待たれる広報紙」の形となってきています。「せせらぎ読んでますよ。」の声を少なくない人達から聞かせていただきました。
祇園小学校との具体的な交流活動も少し軌道に乗ってきました。パーカッション隊の演奏に続いて、あさ利用者の松原さんの事故で受障してからの体験談を6年生が聴く機会を持っていただき、障害が決して特殊なことでなく、また障害者も決して特別な人でないことをつたえることができました。