あさみなみの8.20
夜半から降り続く猛烈な雨と真っ暗な夜を切り裂く雷。あまりにも異様な夜にすっかり眠りを奪われていました。午前3時半、突然鳴り響く携帯電話にすごく嫌な予感がしたのを鮮烈に覚えています。生活支援部の市川さんからの電話でした。この雨でショートステイ棟が浸水したとの知らせ。当日支援にあたってくれていた吉長さんと上村さんが気づき、3人の利用者を2階に誘導、避難したので当面安全は確保されているとのこと。安心した反面、ショートステイ棟が浸水したなら、向かいの本部棟、とりわけ1階の本部事務所や食堂・厨房への浸水が思い浮かび、すぐさまとび出そうと自宅の玄関を開けると、目の前は泥水が床に迫る勢いで流れ込んできています。外に出ることもできず、いらいらしながら夜の明けるのを待ちました。朝6時過ぎ、ようやく水が引き始めたので、愛用のミニカブを駆って、泥水をかき分けながら出動。そこここで出くわす消防車やパトカーの緊急灯に不安を募らせながら到着してみて、しばしあっけにとられました。事務所の中は泥にまみれた書類があちらこちらに散乱しています。食堂も廊下も泥水でいっぱい。どこから手を付ければ茫然と立ち尽くしたのを記憶しています。
あさみなみの被害状況
結局、あさみなみとしては本部棟(あさ作業所・かがやき・本部)とアンダンテ棟(アンダンテ・ショートステイせせらぎ)の2棟が床上40cm程度の床上浸水の被災。心配していたかろかろ棟(かろかろ・サポートセンターあしたば)や工房とも棟(工房とも・あたた)には幸い被害がありませんでした。被害の大きかった八木・緑井地域に暮らす利用者のみなさんにもすぐに確認をとったところ、みなさんご無事で安堵しました。
床上浸水となった2棟ではエレベーターの水没による故障の修繕、同2棟の1階部分床や腰板の洗浄・消毒あるいは部分的には張替の必要、コピー機等電気機器、事務椅子や相談椅子などの水没による交換の必要等、ざっと1500万円程度の被害額が見積もられています。
それと、こちらは費用に換算できませんが書類やデーターの水没による破損が精神的にはもっとも大きなダメージとなりました。1か月たった今も書類・データの復旧作業が続けられています。
これから
大きな被害はありましたが、利用者にも、職員にも人的な被害がなかったこと何よりも幸いでした。浸水の一因として施設周辺下水のつまりがあったことも考えられたため、被災後の土曜日職員総出で下水の泥掻きに汗を流しました。近隣の方々とも協力しながら、周辺環境の整備にも定期的に取り組んでいかなくてはならないことや、緊急時の連絡体制をどれだけスムーズに確保できるか、また今回のように夜間に発生した緊急時での職員の出動体制などたくさんの課題を投げかけてくれた8.20災害でした。負のベクトルを正のベクトルに変えるため投げかけられた課題に真剣に向き合い、これからを切り開いていきたいと思います。
エレベーター水没 | ||
乾かす場所もない | 水没した書類 | |